エンジンチェーンソーの修理:動かない農機を蘇らせる
2022-01-30
農機の「健康」が効率を決める
農業や造園の現場では、耕運機や草刈機、そしてチェーンソーといった「動力」が欠かせません。
過酷な開墾作業を少しでも省力化するためには、これらの相棒たちが常に万全の調子である必要があります。
不具合を早期に見つけ、自ら修理していつでも使える状態にしておくこと。それは技術者としての楽しみでもあります。
今回は、Hikoki(旧日立工機)のエンジンチェーンソー「CS33EDTP」を修理・メンテナンスした記録をまとめました。
診断:エンジンがかからない原因を探る
「エンジンがかからない」という状態で私の元へやってきたこの1台。
排気量32ccの2サイクルエンジンを搭載した、小型軽量で扱いやすいモデルです。

このチェーンソーは2サイクルエンジンで、エンジン容量は32ccです。
燃料には混合ガソリン(燃焼可能なエンジンオイルを混ぜたガソリン)を使用します。
2サイクルエンジンのいいところは、なんといっても機構が簡単で、かつ小型軽量であることです。
このエンジンには消音マフラーが入っており、比較的音が小さく疲労しにくいというメリットがあります。
まずは基本の確認から。
リコイルスターターを引くとしっかりとした手応えがあり、エンジンの「圧縮」は正常なようです。
ここから、「点火系」「機械系」「燃料系」の3つの視点で不具合を切り分けていきます。
不具合確認と修理
まずリコイルスターターを回してみました。重い感触があり、圧縮は正常のようでした。
しかしリコイルを引いてもエンジンがかからないため、詳細を点検することにしました。
エンジンのかからない不具合の原因を特定するため、まずは点火系から分解整備を行いました。
点火系のトラブル:脱落したネジの救出
サイドカバーを外そうとした際、違和感に気づきました。
リコイルのピックアップ部がぐらついています。
確認すると、ネジが脱落して内部に入り込み、取り出し不能な状態になっていました。
このネジを救出した後、点火系を一度バラバラに分解。
点火タイミングを正確にするため、ささくれをサンディングで落とし、各部のギャップを再調整して組み直しました。
機械系のトラブル:ガイドカバーの歪み
次にチェーンの張り調整ができない原因を調べます。
安全カバーを外すと、汚れ防止用のガイドカバーが曲がっており、それが物理的な引っかかりを生んでいました。
こちらも全バラシを行い、曲がったカバーを手曲げで丁寧に修正。スムーズな調整機能を回復させました。
特にチェーンの張り具合調整用のガイド部分で汚れ防止カバーが曲がっていたため、手曲げにて修正しました。
燃料系の微調整:環境に合わせたセッティング
一通りの整備でエンジンは始動しましたが、まだ「カブり気味」で回転が安定しません。
アイドリングの調整ネジを一旦全閉にし、標準の三回転戻しから、
その時の環境(気圧1012hPa、温度8℃、湿度46%)に合わせて最適な燃焼状態になるよう微調整を繰り返しました。
メンテナンス:末長く使うために
修理の仕上げとして、エアクリーナー及びチェーンの基本的な清掃とメンテナンスを行います。
エアクリーナー清掃
カブりぎみの原因として吸気抵抗が大きくなっているようでした。
エアクリーナー及び吸入路の徹底清掃を行いました。
チェーン清掃
木くずとチェーンオイルが混ざって固着して、チェーンが回りにくくチェーンカバーの汚れも目立ちました。
木くずとオイルの頑固な汚れを拭き取り、チェーンの徹底清掃を行いました。
これにより摺動抵抗が減り、エンジン本来のパワーがチェーンに伝わるようになりました。
まとめ:道具を愛するということ
農機の修理には、正しい知識と注意が必要です。特に高速回転するチェーンソーは、一歩間違えれば重大な事故に繋がります。
しかし、自分の手で機械の息吹を蘇らせるプロセスは、開墾という長い道のりにおいて大きな力になります。
不調な道具に耳を傾け、自ら手を入れる。
そんな「四苦八苦」の時間が、農地への愛着をより深くしてくれるのかもしれません。

壊れた農機を蘇らせる試行錯誤は、私の開墾生活の一部です。
こうした小さな改善の積み重ねが、いつか開墾作業を成功させる小さな一歩に繋がると信じています。
この記事が、あなたの愛機を救うヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
もし「おかげで直ったよ!」「応援してるよ!」と思っていただけたら、
作業の合間のコーヒー一杯分や、次の交換パーツ代をサポートいただけると大変励みになります!
そして、この「ベジガーデン」の挑戦を応援したい!と思っていただけたら、
次の資材費をサポートいただけると幸いです。